生物が特定の能力を獲得するため、ある特別な要素に対しての感受性が敏感になる時期を『敏感期』と言います。この特定の感受性は長くは続かず、能力を獲得する目的が果たされるとなくなり次の感受性へと移行していきます。
『敏感期』はオランダの生物学者ド・フリース(1848-1935年)によって提唱された定義です。
ド・フリースは幼虫が葉の先端の柔らかい部分のみを食べている様子を観察し、いも虫には光に対する強い感受性がある事に気付きました。不思議なことに、この時期が終わり大きな葉を食べられるようになると光に対する感受性を失ってしまうのです。そして光に対して無関心になったいも虫は、別の生きる手段を求めて別の道を進みます。
マリア・モンテッソーリは人間の子どもにも『敏感期』の概念が当てはまることを発見しました。子ども達は敏感期に様々なものを獲得します。子ども達が外界の環境に関われるのはこの感受性があるからです。特定の能力が敏感期に獲得されるとその感受性はなくなり、しばらく無気力・無関心な期間が現れます。その後に新たな感受性が生まれ、また違う能力を獲得できるようになるのです。子ども達には個性の違いはあるものの、発達段階によって下記の感受性が見られます。